診療内容

頭痛外来

こんな症状で
お悩みではありませんか?

  • ズキズキとする頭痛が続いている
  • 頭痛がひどくなって吐き気がする
  • 後頭部が重く感じる
  • 頭が締め付けられるような感覚がある
  • 朝起きると頭が痛い
  • 首や肩が凝り、頭痛が伴う
  • 仕事や家事中に急に頭痛がひどくなる
  • 痛みが長引いて仕事に支障が出ている
  • 目の奥が痛くて集中できない
  • 天候の変化に敏感で頭痛が起きやすい

頭痛の種類と原因

頭痛は「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に大きく分類されます。一次性頭痛は片頭痛や緊張型頭痛など、他に原因となる病気がないものです。一方、二次性頭痛は脳腫瘍、くも膜下出血、脳梗塞などの病気によって起こるものです。「いつもの頭痛だから大丈夫」と思っていても、実は深刻な病気のサインかもしれません。当院では、患者様の症状を詳しくお聞きし、必要に応じて画像検査を行うことで、頭痛のタイプを正確に診断いたします。お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

まずは自分の頭痛のタイプ
チェック!!

一次性頭痛

こわくないけどつらい頭痛

  • 片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など
  • 頭痛の原因がほかの病気ではない
  • 繰り返し頭痛がある
  • 頭痛のある患者様の約9割が一次性頭痛
一次性頭痛のグラフ

二次性頭痛

こわい・命にかかわる頭痛

  • 突然起こる
  • 風邪をひいたときとは痛みの異なる頭痛
  • 痛む頻度が高くなり、痛みも強くなっていく
  • 原因不明の高熱や吐き気を伴う
  • これまでに経験したことのない頭痛
  • 文字の読み書きが難しい、考えがまとまらないなどの症状を伴う
主な疾患
  • 脳腫瘍
  • 髄膜炎
  • 脳梗塞
  • 高血圧
  • くも膜下出血
  • 脳出血
  • 慢性硬膜下血腫

一次性頭痛(こわくないけどつらい頭痛)

片頭痛

片頭痛は、明確な原因がなく繰り返し起こる頭痛です。頭の片側(時には両側)にズキンズキンと脈打つような痛みがあり、光や音を煩わしく感じたり、吐き気を伴うことがよくあります。他の病気が原因ではありませんが、痛みによって患者様の日常生活に大きな影響を与えるため、疾患としてしっかりと治療を行うことが重要です。

原因

  • 精神的・身体的要因
  • ストレス・疲労・睡眠不足
  • 月経周期・ホルモン変動・食事・飲み物
  • ワイン・チーズ・チョコレート・カフェイン・空腹・脱水・環境要因
  • 強い光・騒音・気温差・天気の変化・匂い・姿勢・生活習慣
  • 長時間同じ姿勢(特にうつむき)・高すぎる枕・スマホ、PCの使いすぎ

症状

頭の片側の強い痛み(ズキンズキンと脈打つような)・吐き気・嘔吐・光・音・匂いへの過敏・視覚異常(ギザギザした光)・集中困難・疲労感・眠気・前兆症状(痛みの前に現れる視野の一部が見えにくくなるなどの感覚異常)

対処方法

日常生活での予防
  • 規則正しい生活(睡眠・食事・運動)
  • ストレスをためない、リラックスする時間を持つ
  • 誘因となる食べ物や環境を避ける
  • 姿勢に注意し、こまめに休憩を取る
発作時の対応
  • 暗く静かな部屋で安静にする
  • 患部を冷やす(冷却シートなど)
  • 入浴は避け、シャワーにする
  • コーヒーや緑茶が効果的な場合もある
    (ただし過剰摂取は逆効果)
医療的対応
  • 急性期治療薬:トリプタン系薬剤、鎮痛剤(NSAIDsなど)
  • 予防薬:抗てんかん薬、降圧薬、CGRP関連薬(注射)
主な治療内容

片頭痛はトリプタン製剤やCGRP阻害薬などの薬物療法が有効です。また、生活習慣を整えることで発作を予防することが可能です。専門医の診察を受け、適切な治療を始めることをおすすめします。

頭痛の予防治療ができること知っていましたか?

頭痛は起こってから対処するだけでなく、日頃の生活の工夫やお薬によって発作の回数や痛みの強さを減らすことができます。生活リズムを整え、ストレスをうまく発散し、適度な運動や質の良い睡眠を心がけることで、頭痛の「きっかけ」を防げます。
また、慢性的に頭痛でお悩みの方には、頭痛が起こる仕組みに働きかける予防薬が効果的です。新しい治療薬は、片頭痛発作の引き金となる物質の働きを抑え、発作そのものを起こりにくくします。頭痛に振り回されない毎日のために、一緒に最適な治療法を見つけていきましょう。

片頭痛の予防治療薬について

現在、日本で使える注射タイプの片頭痛予防薬は「エムガルティ」「アイモビーグ」「アジョビ」の3種類あり、 当院ではすベてを扱っています。 これらは、片頭痛発作が起こるのを抑えるために作られた、新しいタイプのお薬(飲み薬ではなく、注射薬)です。注射することによって、片頭痛の強さや片頭痛が起こる日数がへり、痛くなった時に飲む急性期治療薬を使う回数が減るという効果が期待されています。

主な予防治療薬
薬の名前(一般名 / 商品名 ) 製薬会社 働き方(効果の仕組み) 薬の形(投与方法) 使い方と回数
ガルカネズマブ(エムガルティ®) ガルカネズマブ(エムガルティ®) 日本イーライリリー ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体→CGRPという片頭痛の原因物質をブロックする抗体 皮膚の下に打つ注射(120mg)
注射器またはペン型注入器
月に1回、1本ずつ注射
(初回のみ2本)
フレマネズマブ(アジョビ®) フレマネズマブ(アジョビ®) 大塚製薬 ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体→CGRPをブロックする抗体 皮膚の下に打つ注射(225mg)
注射器タイプ
4週間ごとに1本、または12週間ごとに3本まとめて注射
エレヌマブ(アイモビーグ®) エレヌマブ(アイモビーグ®) アムジェン ヒト抗CGRP受容体モノクローナル抗体→CGRPを受け取る場所(受容体)をブロックする抗体 皮膚の下に打つ注射(70mg)
ペン型注入器
4週間ごとに1本ずつ注射
ナルティーク

ナルティークOD錠75mgは、ファイザー株式会社が開発した、日本初の経口CGRP受容体拮抗薬です。
有効成分「リメゲパント」が、片頭痛の原因とされるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)の受容体を選択的に阻害することで、急性期の痛みの緩和と発症の予防の両方に効果を発揮します。

片頭痛に悩む方々にとって、より柔軟で効果的な治療選択肢となることが期待されています。ご使用にあたっては、医師の診断と指導のもとで適切に服用してください。

予防治療による痛みの
変化イメージ

変化のグラフ

緊張型頭痛

「頭が重い」、「締めつけられるような圧迫感」が、緊張型頭痛の特徴です。首や肩の凝りと関連しているケースが多く、ストレスを伴う作業や長時間のデスクワークによって発症する傾向があります。

原因

  • 身体的要因
  • 首・肩のこり(特にうつむき姿勢)
  • 月経周期、ホルモン変動食事・飲み物
  • 長時間同じ姿勢(PC・スマホの使用)
  • 高すぎる枕の使用
  • 眼精疲労精神的要因
  • 精神的ストレス
  • 緊張・不安・疲労感

症状

  • 頭全体が締め付けられるような痛み
  • 首・肩のこりを伴う痛みは軽度〜中等度で持続時間は30分〜数日
  • 吐き気や嘔吐はほとんどない
  • 動いても痛みが悪化しない
  • 仕事や日常生活はなんとか続けられる

対処方法

日常生活での予防
  • 姿勢を正す(長時間同じ姿勢を避ける)
  • ストレッチやマッサージで筋肉をほぐす
  • 首・肩を温める(入浴や温湿布)
  • 規則正しい生活(睡眠・食事・運動)
  • ストレスをためないようにする
発作時の対応
  • 静かな環境で休む
  • コーヒーや緑茶を少量飲むと楽になる場合もある(※飲みすぎ注意)
医療的対応(必要に応じて)
  • 鎮痛剤
  • 筋弛緩薬や抗不安薬(医師の判断で)
  • 慢性化した場合は医療機関での治療を検討
主な治療内容

緊張型頭痛は、治療と並行して、生活習慣や姿勢の改善、セルフケアを行うことが有効です。

群発頭痛

群発頭痛は、「激しい痛み」が頭の片側の目の奥やこめかみに生じる頭痛です。発作は毎日、あるいは一定期間同じ時間帯に発症する場合が多く、生活の質に大きな影響を及ぼします。

原因

  • 体内時計(視床下部)の異常
  • アルコール摂取(群発期中は少量でも発作を誘発)
  • 喫煙歴
  • 気圧や気温の変化
  • ストレスや生活リズムの乱れ

症状

  • 目の奥をえぐられるような激しい痛み(片側のみ)
  • 発作は15分〜3時間程度、1日に1〜数回、毎日ほぼ同じ時間に起こることが多い
  • 痛みと同側の目の充血・涙・鼻水・鼻づまり
  • じっとしていられないほどの苦痛

対処方法

発作時の対応
  • 酸素吸入療法(医療機関での処方が必要)
  • トリプタン系薬剤の注射や点鼻薬
  • 暗く静かな場所で安静にするのは効果が薄い
群発期の予防
  • アルコールを完全に避ける
  • 規則正しい生活を心がける
  • 予防薬の使用(カルシウム拮抗薬、ステロイドなど)
  • ストレスや生活リズムの乱れを避ける
医療的対応
  • 急性期治療酸素吸入(100%酸素)
  • トリプタン系薬剤の注射や点鼻薬
  • 予防薬:ベラパミル(カルシウム拮抗薬)リチウム
  • 短期的にステロイド
主な治療内容

群発頭痛は専門的な治療が必要なため、頭痛専門外来の受診が推奨されます。

二次性頭痛(こわい・命にかかわる頭痛)

二次性頭痛(症候性頭痛)

二次性頭痛は、脳や身体の他の疾患によって引き起こされる頭痛です。命に関わる病気が隠れている可能性があるため、注意が必要です。

原因

  • 脳出血、くも膜下出血、髄膜炎などの感染症
  • 脳腫瘍や動脈解離などの重大疾患
  • 頭部外傷や血圧の急激な上昇

症状

  • 突然の激しい痛み、またはこれまでに経験したことのない激しい頭痛
  • 吐き気や嘔吐、発熱、意識障害を伴うことがある
  • 痛みが急激に悪化する場合もある
主な治療内容

命に関わる重い病気が潜んでいる可能性があるので、思い当たる場合は早めに専門医の診察を受けることをおすすめします。